研究グループの目標
光反応化学を極め、光エネルギーの有効利用に資する化学システムの創成を目指す。
我々の目標は、光エネルギーの有効利用に資する新しい化学的概念を創成することにあります。 21世紀は「光の時代」であると言われていますが、その基盤を成す光反応化学や光機能化学は、まだ十分な発展を遂げていません。
例えば、大気中の二酸化炭素濃度の上昇による地球温暖化や化石燃料の枯渇によるエネルギー危機等、人類が将来直面する深刻な問題に対して、光エネルギーの有効利用は、理想的な解決法となる可能性があります。 しかし、地球に降り注ぐ太陽光を人工的な手法により利用する化学的な方法は、残念ながらまだ初歩的な段階に留まっています。
また、分子レベルの機能性素子は、電子の代わりに光子で駆動するものにならなければいけませんが、光機能性発現の化学的知見は極度に不足しているのが現状です。 粉末状の半導体光触媒についても、未だ満足な材料は得られておらず、学術的な知見も十分とは言えません。
そこで我々は、実験化学的な立場から、これらの問題の解決にチャレンジしています。 具体的には、
- 太陽エネルギーの化学エネルギーへの変換を目的とした基礎研究として、金属錯体を中心とした新しい光触媒の創製
- 植物の光合成と類似の機能を有する人工的なシステム(人工光合成)の構築
- 光や電子の移動を制御できる錯体超分子(分子ワイヤー等)の分子設計指針と合成法の確立
- 金属錯体光触媒と固体材料のハイブリッド化によるCO2還元反応の高機能化
- 水を還元剤としたCO2還元系の開発
- 低濃度CO2の直接還元資源化
を行っています。 さらに、これらの研究を通して、
- 太陽エネルギーの化学エネルギーへの変換を目的とした基礎研究として、金属錯体を中心とした新しい光触媒の創製
ことも重要な目的です。 あくまで、これまで報告されていない新しい化合物群、方法論、概念を打ち立てていくことを心がけています。
また、国内外の研究者との共同研究にも力を注いでいます。国内では、産業技術総合研究所、九州大学、京都大学、東京理科大学、北海道大学、名古屋大学、立教大学、理化学研究所と学生の交流や共同研究を行ってきました。 フランス(パリ大学、ソルボンヌ大学、CERグルノーブル)、イギリス(ストラスクライド大学)、イタリア(メッシーナ大学、ボローニャ大学)とも共同研究を進めており、先方から学生や職員を研究室に受け入れ、また当研究室の学生や職員が先方の研究室に滞在して実験を行い多くの成果を上げています。
このように石谷研究グループでは、様々な人間が非常にチャレンジングなテーマを自ら考え、研究生活を送っています。 興味をお持ちの方、お持ちになった方(もしくは、まだよくわからないとお思いの方)は、是非ともこのホームページに目を通して頂き、また、研究室見学も大歓迎ですので、遠慮なくご連絡ください。
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